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2014年6月16日 (月)

行政不服審査法の抜本改正と、品種登録出願の拒絶への不服申立(1/2)

 

 [Summary]

   <記事の小項目>
   1.はじめに
   2.知財業務における行政不服審査法
   3.品種登録出願業務における行政不服審査法
    (次回記事)
   4.行政不服審査法の抜本改正のポイント
   5.拒絶処分に対する不服申立手続への影響)




1.はじめに

行政不服審査法の改正法案が、6月6日に残っていた参議院で承認され成立しました(http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/keika/1DB82BA.htm)。1962年の法制定以来、初めての抜本的な大改正となります。施行は2年以内とのことです。

改正法:
http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/g18605070.htm

特許、実用新案、意匠、商標に関する制度に比べると、品種登録出願や登録品種に関する手続には、行政不服審査法に基づく不服申立手続を利用する可能性が高いといえる面がありますので、今回は、行政不服審査法の改正のポイント、品種登録出願における関連、改正に伴う影響などについて、少しまとめておこうと思います。

2回にわけて上記の[Summary]にあるような内容の順で整理しようと思います。


2. 知財業務における行政不服審査法

弁理士業務(特に、特実意商の4法の権利化業務)をしていて、行政不服審査法が業務に関わってくることは、正直なところ、かなり希なケースだと思います。私自身、特許に関する業務をメインにしていますが、これまで行政不服審査法のお世話になったことは未だありません。特許実務をしていて行政不服審査法のお世話になりそうなものとして思いつくのは(実際の裁判例などでみかけるものは)、国内書面(特許法184条の5の書面)や翻訳文の提出が期限に間に合わなかったと認定されてしまったり、特許の維持年金の納付期限を徒過したと認定されたりした場合に、それを覆そうとするようなケースなどです。こういった裁判例などでよく見かけるもの以外にも、他にいろいろケースはあるかもしれませんが、いずれにしても、知財業務の関連では、普段はあまり行政不服審査法のお世話になることは少ないと思います。

ただ一般的には、税務関連などの認定や、各自治体での行政判断などに対して、行政不服審査法に基づく不服の申立がたくさんなされてようです。

(総務省の統計によれば、平成23年度の不服申立件数、
     国:   約30,000件 (認容率:10.6%、9割が1年以内に処理)、
     地方自治体件:   約18,000万件 (認容率:2.8%)
     行政事件訴訟第一審(H24年):   約2000件)*。

      (*)総務省、行政不服審査法等の施行状況に関する調査結果、
           http://www.soumu.go.jp/main_content/000246555.pdf
           http://www.soumu.go.jp/main_content/000246557.pdf      )


3. 品種登録出願業務における行政不服審査法

このブログのテーマ関連(品種登録関連)ですと、実は、行政不服審査法にお世話になるかもしれない場面が、通常の業務の権利化手続の流れの中で起こり得ます。すなわち、出願の拒絶の処分を受けた場合に、拒絶処分に対して不服申立をする場面です。

品種登録出願を出願すると、登録要件(区別性、安定性、均一性など)を満たすか否かが審査されますが、登録要件をみたしていないと判断されますと、特許出願の審査と同様に、拒絶理由通知が発行されます。この拒絶理由通知に対しては、出願者は、意見書(必要でれば補正書も)を提出して反論することができますが、意見書による反論が拒絶理由を覆すに足るとは認められないと、「拒絶」の処分がなされます(種苗法第17条)(特許法等でいうところの「拒絶査定」に相当します)。

種苗法には、特許法における拒絶査定不服審判のような、審査の上級審という観点での審判制度がそもそもありません。このため、品種登録出願において拒絶の処分を受けると、原則に従い、一般の行政処分の不服申立手続に従って、拒絶処分という行政処分を争うことになります。

ここで不服申立の手続として、2つ選択できます。

 (1) 行政不服審査法に基づき農林水産大臣に対して異議申立する

    (処分があったことを知った日(実務上は、農林水産省(農林水産大臣)から配達証明付き郵便にて拒絶の処分に関する書面を受けとった日)の翌日から起算して60日以内)

 (2) 行政事件訴訟法に基づき、国を被告として、処分の取消の訴えを提起する

    (処分があったことを知った日から6月以内)

実務的には、(1)の方を選択する場合が多いのではないかと思います。すなわち、いきなり裁判所手続に行く方(つまり(2))は出願者的には心理的ハードル(コストも?)が高い面があり、また、異議申立が棄却された場合にもさらに、それを行政事件訴訟よる取消訴訟で争う余地のあることから、まずは(1)の方を選択しやすいのではないかと考えるからです。

つまり、品種登録出願の手続きにおいては、特許出願手続きでいうところの拒絶査定不服審判と同じ段階で、行政不服審査法に基づく異議申立(**)を行うことが必要になる場面が起こりうるということになります(***)。

**)行政不服審査法(現行法)による不服申立としては、「審査請求」と「異議申立」とがあります。「審査請求」は、処分を行った処分庁の上級行政庁に処分の適否の審査を求める手続きである一方、「異議申立」は、処分庁に上級行政庁がない場合に、処分庁に対して処分の取消を求める手続きです。品種登録出願の拒絶の処分の処分庁は、「農林水産大臣」となりますが、「農林水産大臣」には上級行政庁が存在ないことから、拒絶の処分に対して不服を申し立てる場合には、「異議申立」のみとなります。

***)なお、他に、品種登録関連の手続きで行政不服審査法が関連してくる場合としては、登録されている品種登録について、登録されたという行政処分自体を不服として申し立てる(異議申立)することができます(種苗法51条1項等)。

今回、行政不服審査法が大改正されることとなったことから、この拒絶の処分に対する不服申立を行う際にも手続上、さまざまな影響でることになりました。

    <<行政不服審査法の抜本改正のポイントについては次回(2/2)記事で扱います>>

Bekkiyousiki_22_2


          (拒絶の処分のサンプル)

                                                以上

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