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« 行政不服審査法の抜本改正と、品種登録出願の拒絶への不服申立(1/2) | トップページ | 「特定農林水産物等の名称の保護に関する法律」が可決成立しました »

2014年6月17日 (火)

行政不服審査法の抜本改正と、品種登録出願の拒絶への不服申立(2/2)

 

   [Summary]

   <記事の小項目>

   (前回記事)
   1.はじめに
   2.知財業務における行政不服審査法
   3.品種登録出願業務における行政不服審査法

   (今回)
   4.行政不服審査法の抜本改正のポイント
   5.拒絶処分に対する不服申立手続への影響
.
        
 
 




    
4.行政不服審査法の抜本改正のポイント

主な改正のポイントは下記の通りです。

(1) 審理において、職員のうち(不服申立の対象の)処分に関与しない者(審理員)が、不服申立人(審査請求人)と処分庁の両者の主張を公正に審理する。
  (現行法では、審理を行う者について法律に規定がなかったため、処分を行った関係者が審理に関与することも可能)

(2) 裁決について、有識者からなる第三者機関が事前に点検を行い、第三者視点での審査庁の判断の妥当性をチェックする。
   (現行法にはそのような手続きも第三者機関についても規定はない。改正により裁決の公正性が向上されることが期待される)。

(3) 不服申立をすることができる期間が「60日」から「3ヶ月」に延長される。

(4) 不服申立の手続きが「審査請求」に一元化される。
   (現行法にある「異議申立」がなくなり、「審査請求」に一元化される)

(5) 審理手続きにおいて、不服申立人の権利が拡充される、など。
   (現行法では処分に係わる行政庁内の証拠書類等の閲覧のみが可能であったが、改正法により謄写もできるようになる等)。



Photo


2


(図の出典:「行政不服審査法関連三法案の概要」
(総務省、
http://www.soumu.go.jp/main_content/000279329.pdf)より)


(6) 行政不服審査法の改正に伴う関係法の改正 (→特許法や種苗法の一部改正)

 行政不服審査法の今回の改正に関連して、関係法の改正に関する「行政不服審査法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」も同様に成立しています。(http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/houan/g18605071.htm
 特許法(実用新案法、意匠法、商標法も同様にありますが省略します)と、種苗法について、同法律の該当部分を以下に抜粋します(備忘のため)。

(特許法の一部改正)
第二百二十七条 特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)の一部を次のように改正する。
  第九十一条の二中「行政不服審査法(昭和三十七年法律第百六十号)による異議申立て」を「行政不服審査法(平成二十六年法律第▼▼▼号)の規定による審査請求」に改める。
  第百三十一条の二第四項、第百四十三条第三項及び第百四十九条第五項中「決定」の下に「又はその不作為」を加える。
  第百八十四条の二を次のように改める。
  第百八十四条の二 削除
  第百九十五条の四の見出し中「による不服申立て」を「の規定による審査請求」に改め、同条中「又は審決」を「若しくは審決」に、「請求書又は」を「請求書若しくは」に改め、「処分」の下に「又はこれらの不作為」を加え、「による不服申立て」を「の規定による審査請求」に改める。

 (種苗法の一部改正)
第二百九条 種苗法(平成十年法律第八十三号)の一部を次のように改正する。
  第十四条第四項中「行政不服審査法(昭和三十七年法律第百六十号)に基づく異議申立て」を「審査請求」に、「決定」を「裁決」に改める。
  第五十一条の見出し中「異議申立て」を「審査請求」に改め、同条第一項を次のように改める。
   品種登録についての審査請求については、行政不服審査法(平成二十六年法律第▼▼▼号)第十八条の規定は、適用しない。
  第五十一条第二項中「行政不服審査法に基づく異議申立て」を「審査請求」に改め、同条第三項中「農林水産大臣」を「行政不服審査法第十一条第二項に規定する審理員」に、「異議申立て」を「審査請求」に改める。

  
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5. 拒絶の処分に対する不服申立手続への影響 (管理人によるコメント)

(1) (品種登録出願の)拒絶の処分に対して、行政不服審査法に基づく不服申立の手続が「異議申立」から「審査請求」に変わる。

   → 法上は、従来の異議申立は、処分庁からの説明を受ける機会が与えられていないなど「審査請求」とは手続が異なっていたという点がありましたがこの点が解消すると言えます。ただし、(拒絶の処分に関する)実務上は、ほとんど利用しないところと思いますので、実際問題としては、これまでとほとんど違いがない、という状況に近いと思います。 (不服申立の名称が「審査請求」となりますので、この点で拒絶の処分の書類など記載ぶりが若干かわる、といった程度の影響だと思います)。
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(2) 拒絶の処分に対して、行政不服審査法に基づく不服申立(審査請求)をする場合、期限が、拒絶の処分があったことを知った日から60日以内ではなく、「3ヵ月」以内に延長される。

   → 特許法における手続と違い、品種登録出願の手続や行政不服審査法による手続は、発信主義ではなく、到達主義での対応となりますので、現行の「60日」というのは、実際に対応してみると、かなり短く感じます。期間が実質的に1ヵ月ほど延びることは、実務上は、手続を取ろうとする側にとっては、かなり有り難いと思います。
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(3) 不服申立に関する農水省内での審理手続が、より公正化・透明化される。

  → 現行法では、異議申立をした場合、その審理を行う者は規定がありませんでした。特に異議申立の場合、処分庁と審査庁が同一であることから、拒絶の処分を行った審査官が、異議申立の審理にも関わることは特に、禁止されていません。

実際、拒絶の処分に対する異議申立をするに際して、この点を農水省(種苗審査室)側に質問したことがありますが、少なくとも私の場合、処分を行った者を、異議申立に関与させないようにしているとの話は特段ありませんでした。(法律がそうなっていないのですから当然といえば当然かもしれません)。

ところが、特許法などでは、拒絶査定を行った審査官は、拒絶査定不服審判において審判官として関与することはできません(特許法第139条1項6号で審判官の除斥理由となっています)。

不服を申し立てる側からすれば、申立の対象となる処分に関与した者が、不服申立の審理に関与するとすれば(そのような可能性がある場合でも同様)、審理の公正さや客観性に疑いを持ちたくなります。少なくとも、不服申立が却下された場合、納得感はなく、依然として不満が残った形になる可能性が高いと思います。

個人的には、不服申立の性格上、前審(処分)に関与した者が不服申立の審理に関与できないとすることを明確にすること、および、審理する主体を明確にすることは、最低限必要なのではないかと、感じていました。

今回の改正により、この点が大幅に改善される見通しです。すなわち、処分に関与していない者(審理員)が審理することが法上、明確にされ、また裁決前に、第三者機関のチェックを受けることも可能となります。今回の改正では、この点は、実務上とても歓迎すべきことと考えています。

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  <さらに深く知るための資料>

  総務省webページ、行政不服審査法:
  http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/gyoukan/kanri/fufuku/

                                           以上

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