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2015年2月27日 (金)

特許微生物寄託(日本-台湾間の手続が大幅に簡素化)-でも未だ実施されず

 日本から台湾へ、及び、台湾から日本への、特許微生物寄託が必要な特許出願の手続きに際して寄託関連の手続が、大幅に簡素化されることが予定されています

 既に特許庁のHPでも公表されているように、特許微生物寄託に関連する特許法施行規則の規定が改正され*1、また審査基準(「生物関連発明」の審査基準)が改訂され*2、施行規則の施行日と改正審査基準の適用はいずれも、平成27年1月1日からとなっています。これらの改正によって、台湾から日本への出願がされた場合の特許微生物寄託の手続きの簡素化が見込まれていました(日本から台湾への出願も、相互主義の考えに基づき(後述するように覚書が最近交わされています)、同様に適用される予定でした)

 ところが、今日現在まだ、日本-台湾間の特許微生物寄託手続の簡素化は、実際には未だおこなわれておらず、表面的には動きが止まってしまっているようです

 すなわち、特許法施行規則の改正、審査基準の改訂に加えて、特許微生物寄託の寄託機関における実際の運用などを定めた「特許微生物寄託等事業実施要綱の一部を改正する告示」(案)が一旦パブリックコメントを募集して、告示の公表のため手続きが進められていましたが、意見募集の結果(2015/1/10公表)、「本件に係る告示案について内容を見直し、改めて意見公募手続をすることとし、本意見公募に基づいて告示を定めないこととしました」として、仕切り直しが表明されて以降、特許庁での動きがとまってしまっています*3


*1
 特許庁ニースリリース、平成26年8月12日
 特許法施行規則の一部を改正する省令(平成26年8月12日経済産業省令第40号)
 
http://www.jpo.go.jp/torikumi/kaisei/kaisei2/tokkyohou_260812.htm

*2 特許庁ニースリリース、平成26年11月19日
 「生物関連発明」の審査基準の改訂について

 
http://www.jpo.go.jp/shiryou/kijun/kijun2/h26_seibutsu_kaitei.htm
(改訂のポイント)
「特許法施行規則第27条の2第1項の改正に伴い、条文を引用している箇所について、改正後の条文に更新するとともに、改正により新たに規定された寄託機関である「条約の締約国に該当しない国(日本国民に対し、特許手続上の微生物の寄託に関して日本国と同一の条件による手続を認めることとしているものであつて、特許庁長官が指定するものに限る。)が行う機関指定に相当する指定その他の証明を受けた機関」を特許手続上の寄託機関として追加する。」

*3 http://www.jpo.go.jp/iken/biseibutsu_141107_kekka.htm
「特許微生物寄託等事業実施要綱(平成十四年経済産業省告示第二百九十一号)の一部を改正する告示案に対する意見公募の結果について」(2015/1/10)


また、改正施行規則や改正審査基準で新たに対象に加えたい、締約国に該当しない国の機関(「条約の締約国に該当しない国(日本国民に対し、特許手続上の微生物の寄託に関して日本国と同一の条件による手続を認めることとしているものであつて、特許庁長官が指定するものに限る。)が行う機関指定に相当する指定その他の証明を受けた機関」)についても、特許庁長官による国等の指定についても、未だに、何ら公表等されていません*4


*4 今回の改正により手続きの簡素化を図ろうと考える国・地域は、特許庁の改正の説明等には具体的には記載されておりませんが、これまでの経緯や、後述する台湾との覚書締結の進捗からみて、「台湾」を第一のターゲットにしていることは明らかです。

  なお、上記は、台湾から日本へ出願をした場合に関連する日本国内での寄託手続に関するものですが、その裏返しである、日本から台湾へ出願した際の台湾での寄託手続きについては、当然、台湾での法律に基づくものになりますが、これに関して、今回の日本国内の改正に合わせるように、日本-台湾間で「日台特許手続微生物寄託覚書」が交わされています*5


*5
 「公益財団法人交流協会と亜東関係協会との間の特許手続上の微生物の寄託の分野における相互協力に関する覚書」(略称「日台特許手続微生物寄託覚書」) 2014年 11月 20日作成
http://www.koryu.or.jp/taipei/ez3_contents.nsf/v04/787A326B12A80D0449257D9500303326

(抜粋)
1.11月20日、日本と台湾との特許手続上の微生物の寄託の分野における相互協力に関し、公益財団法人交流協会と亜東関係協会との間で標記覚書を交わし、以下の合意がなされましたのでお知らせいたします。

2.台湾は我が国にとって緊密な経済関係を有するパートナーであり、その基礎となる知的財産分野においても、密接な関係を有しています。本覚書は、これまで日台双方において出願人が行うことが必要であった手続の負担を軽減するものであり、これにより、経済面での日台間の実務交流が一層促進されることが期待されます。

(主要合意事項)
1. 基本的性質
交流協会と亜東関係協会は、日台双方の出願人の相手方区域における特許権の取得に関する手続負担を軽減するため、覚書に規定された内容について、必要な関係当局の同意が得られるように相互に協力する。

2.  規定内容
(1)上記協力の対象は、特許手続における微生物寄託の相互承認。
(2)主な内容
 出願人が相手側の寄託機関に寄託を行う手続負担を軽減するために、日台双方がそれぞれ指定する微生物寄託機関への寄託を相互に承認すること。


 因みに従来は(結果的には今現在も)、「日本から台湾へ」の特許出願の場合も、またその逆の「台湾から日本へ」の特許出願の場合も、(ブダペスト条約の適用外なので)特許微生物寄託の手続における原則的な取扱いとなるため、実際に、相手国の寄託当局宛に寄託する微生物(生物)を送って、現地で微生物寄託をしたことの証明書(受託証)を取得し、それを特許出願に際して提出しなければなりません。

 特許微生物寄託の手続きの世界では、ブダペスト条約(『特許手続上の微生物の寄託の国際承認に関するブダペスト条約』)というものがあります。

ブダペスト条約の加盟国であれば、自国の寄託機関で寄託(国際寄託)をしておくことで、自国でした寄託手続を相手国の審査の際に承認してもらえることになるため、その国で別途あらためて寄託手続をする必要はありません。

 しかし、台湾のようにブダペスト条約の枠外の国・地域については、その国へ、微生物寄託を伴う特許出願をしようとする場合、(基本的には)その国での特許出願前までに、その国に実際に微生物を送って、その国の寄託機関に提出して寄託手続を行い、その国で寄託の証明書(寄託機関の受託証)を取得する必要があります。

  例えば、従来は、たとえ日本国内の寄託機関に寄託をして受託証を取得していたとしても、日本出願を基礎として台湾で特許出願をするに場合には、日本から台湾に微生物の現物を送り、台湾の寄託当局に微生物を実際に寄託する手続をし、そこで受託証を取得して、それを台湾の特許当局に提出する必要がありました。

 ところが、今回の手続の簡素化が実際に図られると、この相手国(例えば台湾)での寄託を行う必要がなくなり、日本の寄託機関に対する手続のみで済ますことができるようになります。微生物の実物を現地に送らなければならないという問題を回避できますので、出願人にとっては大幅な負担軽減につながります。このため、簡素化は非情に期待されているといえます。

 いずれにしても、早く、手続の簡素化を実施してほしいです。


(参考)
ブダペスト条約(日本語訳)

http://www.jpo.go.jp/shiryou/s_sonota/fips/budapest/bt/mokuji.htm

ブダペスト条約(英語)
Treaties and Contracting Parties: Budapest Treaty(WIPO)

http://www.wipo.int/treaties/en/registration/budapest/index.html

特許微生物寄託センター(NPMD)
http://www.nite.go.jp/nbrc/patent/ida/npmd.html

以上

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