• ninjabarier
2018年10月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
フォト

  • ブログ感想やコメント等、大歓迎です。ご連絡は、こちらにメールをお送りください。 詳細は上記のAbout(プロフィール)をクリックいただき、プロフィールページの写真下の●の欄をご参照下さい。

免責事項・著作権

  • このサイト(ブログ)に記載される内容は、できるだけ正確を期すよう注意していますが、多分に、書き手の個人的な意見や思い込み・誤解を含む可能性がありますことをご承知おきください。また、記載内容によって生じたいかなる損害に関しても一切の責任を負いかねますのでご了承願います。
  • 当サイトでは、著作権や外部情報(個人情報含む)の取扱いには充分注意しておりますが、お気づきの点等がありましたらお知らせください。またこのサイトで公開されているコンテンツの著作権は全て当サイト管理者に帰属します(外部からそのまま引用した資料を除く)。このサイトに掲載されている画像・テキスト等の無断転載はご遠慮下さい。
サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想

« 機能性表示食品のガイドライン(案)公表 | トップページ | ブログ開設から1年 »

2015年3月10日 (火)

ノンアルコールビール風味飲料で特許侵害訴訟提訴(サントリーとアサヒ)

日経新聞web版によれば、下記の通りとのことです。

・日経新聞web、2015/3/10
 
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG10H36_Q5A310C1MM0000/?dg=1
(記事抜粋)
サントリー、アサヒを提訴 「ドライゼロが特許侵害」
 アルコール度数ゼロのビール風味飲料を巡り、自社の特許を侵害されたとして、サントリーホールディングス(HD)がアサヒビールに対し、アサヒの主力商品「ドライゼロ」の製造や販売の差し止めを求める訴訟を起こしたことが10日、分かった。
 同日午後に東京地裁で第1回弁論が開かれる予定で、アサヒ側は「特許権は無効だ」として全面的に争う方針だ。
 サントリーは、糖質やエキス分を一定の範囲内にしたビール風味飲料として2013年10月に取得した特許権を、アサヒのドライゼロが侵害していると主張し、今年1月に提訴した。
 ・・・・・・・・。』

 A社の「ドライゼロ」は、「アルコールゼロ」に加え「カロリーゼロ」「糖質ゼロ」をうたっている、いわゆる健康志向のノンアルコールタイプのビール風味飲料です。

 本ブログ的にも興味深いのでの、簡単に特許など調べてみました。

 報道の情報から推測すると、おそらく下記の特許(1)に基づき、特許権侵害の提訴に踏み切ったと思われます。(親出願の特許(2)は関係しているかは分かりません)。(他にも、提訴に関連する特許が存在するか不明です。下記は、あくまでも上記記事の記載の範囲で調べたものにすぎませんので、下記の特許であることの裏付けも現在のところとれていない、確証の無い情報になります。この点ご留意ください3月10日付けのA社のニュースリリース(下記)に、問題となっている特許が下記(1)の特許第5382754号「pHを調整した低エキス分のビールテイスト飲料」であることが明記されています(3/12追記)。


(1) 特許第5382754号 「pHを調整した低エキス分のビールテイスト飲料」
    登録日: 2013年10月11日  (公報発行日: 2014年1月8日)
   原出願日: 2012年11月19日
    出願日: 2013年5月27日
    (この特許は、下記(2)の分割出願に基づくものです)

  権利化後の訂正審判: 訂正2014-390090
   訂正審決確定: 2014年8月7日 (審決公報発行: 2014年10月31日)
   訂正内容: 「ビールテイスト飲料」を「ノンアルコールのビールテイスト飲料」に』訂正、他。

  その他:
  請求の範囲について: 請求項は1~63(削除クレームあり)、
     請求項の主題:ビールテイスト飲料、
               ビールテイスト飲料の製造方法、
               ビールテイスト飲料への飲み応え及び適度な酸味の付与方法
       審査経過: 早期審査を行い、出願から特許査定まで4ヵ月程度

 <訂正後の請求項1>
  『【請求項1】
 エキス分の総量が0.5重量%以上2.0重量%以下であるノンアルコールのビールテイスト飲料であって、pHが3.0以上4.5以下であり、糖質の含量が0.5g/100ml以下である、前記飲料。』


    →(コメント) エキス分と糖質含量(糖質が実質的にゼロ)が規定されたノンアルコール型のビールテイスト飲料の発明となっています。


(2) 特許第5314220号 「pHを調整した低エキス分のビールテイスト飲料」
    登録日: 2013年7月12日 (公報発行日:2013年10月16日)
    出願日: 2012年11月19日 (*(1)の分割の親出願に相当) 

  権利化後の訂正審判: 訂正2014-390088
   訂正審決確定: 2014年8月7日 (審決公報発行: 2014年10月31日)
   訂正内容: 「ビールテイスト飲料」を「ノンアルコールのビールテイスト飲料」に』訂正、請求項1の数値を「2.0重量%」から「0.3重量%」に訂正、他。

  その他:
  請求の範囲について: 請求項は1~57(削除クレームあり)、
     請求項の主題: ビールテイスト飲料、
               ビールテイスト飲料の製造方法、
              ビールテイスト飲料への飲み応え及び適度な酸味の付与方法

 <訂正後の請求項1>
  『【請求項1】
 エキス分の総量が0.3重量%以下であるノンアルコールのビールテイスト飲料であって、pHが3.0以上4.5以下である、前記飲料。』


    →(コメント) こちらの特許は、上記特許(1)に比べると、エキス分の量が上記(1)より少なく、糖質含量が規定されていません。


(3) 第2の分割出願の存在
 上記(2)の特許には、さらに(2つめ)分割出願(特願2013-162069(特開2013-255504号)、継続中)が存在するようです。 (現在のところ、審査請求未請求、審査請求期限は2015年11月)。


(コメント)

・A社(訴えられた側)の製品サイトを見ると、
「栄養表示基準に基づき、エネルギー5kcal(100ml当たり)未満をカロリーゼロ、糖質0.5g(100ml当たり)未満を糖質0(ゼロ)としています」
とある。ただし、サイトを簡単に見た限りでは、製品中の「エキス分」の量は、製品紹介等からは、特定できない。 (糖質ゼロであることは、製品広告で自認)。 

・特許のクレームは、エキス分などを数値範囲で特定しているので、侵害の立証の際(充足論)は、実験などが必要となると思われ、論点のひとつになりそう。

・特許(1)は、「飲み応えのある低エキス分のビールテイスト飲料」であり、「適度な酸味」を持つことを特徴とするもののようである。明細書の実施例において、発明の効果の立証データとして、「飲み応え感」、「酸味」をヒト(パネリスト)による官能評価によっている。

・特許発明の効果については、官能試験による結果に基づくものであるため、このあたりのところは、特許の有効性の議論(無効論)で、進歩性における発明の効果、記載要件などにおいて、論点になりそう。
  (*官能評価試験は、あいまいな面が多く、パネリストの選定、評価基準・手法、絶対評価/相対評価など、突っ込みどころ満載なことが多いが、攻める側も同様のタイプの出願をたくさんしている可能性が高く、攻めすぎれば、「天につばする」行為になりかねない)。

・今のところ、特許無効審判の提起は確認できない。

・A社の製品の発売は2012年1月(http://www.asahibeer.co.jp/news/2012/0110.html)。原出願日の方が後のように、一見すると見える。 (但し具体的な製品タイプが違うかもしれない
)。→ 一部報道によれば、昨年2014年9月に製品のリニューアルをしており、それが特許権に抵触しているとの主張のようです(2015/3/11追記)。

・S社の方は、提訴前に訂正審判をして十分準備をしてから提訴しているように見える。

・まだ別の分割出願が生きているので、裁判の進行次第では、それを利用して(クレームも工夫して)、さらに、二の手、三の手を用意できる余地がある。

-----------------------
(以下、3/12追記)

●サントリーホールディングス株式会社 ニュースリリース、2015年03月10日
 「アサヒビール株式会社に対する訴訟の提起について」
 
http://www.suntory.co.jp/note/d/20150310_01.html

●アサヒグループホールディングス株式会社 ニュースリリース、2015年3月10日
 「サントリーホールディングス(株)の当社に対する訴訟の提起に関するお知らせ」
 
http://www.asahigroup-holdings.com/news/2015/0310.html


以上

« 機能性表示食品のガイドライン(案)公表 | トップページ | ブログ開設から1年 »