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2015年6月 5日 (金)

PBP(プロダクト・バイ・プロセス)クレームと最高裁判所

PBP(プロダクト・バイ・プロセス)クレームの解釈についての知財高裁の大合議判決(平成22年(ネ)第10043号)についての上告審で、最高裁による判断が示されました。

Saikousai

(最高裁判所-2015/6/5撮影)


●平成24(受)1204 特許権侵害差止請求事件
平成27年6月5日 最高裁判所第二小法廷 判決 破棄差戻 知的財産高等裁判所 
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/145/085145_hanrei.pdf

(判決抜粋)

主文
 原判決を破棄する。本件を知的財産高等裁判所に差し戻す
。」

 理由
・・・・・
・・・・・・
物の発明についての特許に係る特許請求の範囲にその物の製造方法が記載されている場合であっても,その特許発明の技術的範囲は,当該製造方法により製造された物と構造,特性等が同一である物として確定されるものと解するのが相当である。」

・・・・・

「物の発明についての特許に係る特許請求の範囲にその物の製造方法が記載されている場合において,当該特許請求の範囲の記載が特許法36条6項2号にいう「発明が明確であること」という要件に適合するといえるのは,出願時において当該物をその構造又は特性により直接特定することが不可能であるか,又はおよそ実際的でないという事情が存在するときに限られると解するのが相当である。」

・・・

物の発明についての特許に係る特許請求の範囲にその物の製造方法が記載されている場合において,そのような特許請求の範囲の記載を一般的に許容しつつ,その特許発明の技術的範囲は,原則として,特許請求の範囲に記載された製造方法により製造された物に限定して確定されるべきものとした原審の判断には,判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある。論旨は理由があり,原判決は破棄を免れない。そして,本判決の示すところに従い,本件発明の技術的範囲を確定し,更に本件特許請求の範囲の記載が上記4(2)の事情が存在するものとして「発明が明確であること」という要件に適合し認められるものであるか否か等について審理を尽くさせるため,本件を原審に差し戻すこととする。」

なお、判決文には、二人の判事の「補足意見」が付されています。


(コメント)
 (簡単に目を通した範囲での)、私見です。
 従来の知財高裁の大合議判決では、原則として、プロダクト・バイ・プロセスクレームの技術的範囲の解釈について、そのクレームに記載された製造方法により製造された物に限定されるとしていました。その上で、「物の構造又は特性により特定することが不可能又は困難である」といった事情がある場合には、(例外的に、)製造方法に限定されず、物全般に及ぶとしていました。*

*因みに大合議判決では、前者を「真正のプロダクト・バイ・プロセスクレーム」、後者を「不真正のプロダクト・バイ・プロセスクレーム」と言っていました。

今回の最高裁の判断では、その「原則」と「例外」の関係を逆にしたいようです

つまり、原則として、プロダクト・バイ・プロセスクレームの技術的範囲は、クレームに記載された製造方法に限らず、その物として同一か否かで判断すべきであるとしています。

そして、そもそも、プロダクト・バイ・プロセスクレームは、特許法36条6項2号の明確性要件を満たすものでなければならず、その要件に適合するためには、「出願時において当該物をその構造又は特性により直接特定することが不可能であるか,又はおよそ実際的でないという事情が存在するときに限られる」と解するとしています。

これはつまり、従来の判決にあったような「不真正」のプロダクト・バイ・プロセスクレームはそもそも、記載不備とされるべきものということのようです。プロダクト・バイ・プロセスクレームとは、いわゆる「真正」のものしかあり得ないということになります。

今回の最高裁の判断は、あくまでも知財高裁への差し戻しですので、知財高裁で具体的にどのように判断されるか待ちたいと思います。

これで、プロダクト・バイ・プロセスクレームに関して、「真正」だの「不真正」だのといった言い方は、無くなるんでしょうね。

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追記(2015/6/6)
●(参考)日経新聞Web、2015/6/6
同じ成分の薬なら…別の製法でも特許侵害 最高裁判決 出願・審査、実務に影響も

http://www.nikkei.com/article/DGKKASDG05HDM_V00C15A6CR8000/

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追記2 (2015/6/11)
● 特許庁HP 平成27年6月10日
「プロダクト・バイ・プロセス・クレームに関する審査基準及び審査・審判の取扱いについて」

http://www.jpo.go.jp/torikumi/t_torikumi/product_process_C.htm

 (記事内容写し)
『 平成27年6月5日に、プロダクト・バイ・プロセス・クレーム(物の発明に係るクレームにその物の製造方法が記載されている場合)に関する最高裁判決(平成24年(受)第1204号、平成24年(受)第2658号)がありました。

これを受けて、プロダクト・バイ・プロセス・クレームに関する審査基準及び審査・審判の取扱いは、以下のようにします。

1 審査基準について

「特許・実用新案審査基準 第I部 第1章 明細書及び特許請求の範囲の記載要件」の改訂について検討を開始します。

2 プロダクト・バイ・プロセス・クレームの審査・審判の取扱いについて

プロダクト・バイ・プロセス・クレームについては、現在、本件最高裁判決を受けた取扱いの検討を行っていることから、7月上旬頃までの当面の間、審査・審判において、本件最高裁判決の判示内容に関する判断を行わないこととします。

7月上旬頃を目途に、審査・審判における取扱いの検討結果をお知らせする予定です。 』

(*上記記事内容の写し中、下線は管理人による)
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以上

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