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2016年4月24日 (日)

【品種登録】 「職務育成品種」と、改正「職務発明」


種苗法上の「職務育成品種」と、このたび改正された特許法上の「職務発明」とについて考えてみたいと思います。

(昨年中より、この問題は相談を含め、いろいろ話が出ていたところですが、改正特許法も施行されましたので、このブログにも記録をかねて残しておきたいと思います)。

201604syurohana_2

棕櫚(シュロ)の木に花が咲いているのをみつけました。


種苗法には、「職務育成品種」についての規定があります(種苗法第8条)。すなわち、職務上、従業者としての育成者が育成した品種の帰属について定めたものです。

下記の種苗法の条文から分かりますように、従来の特許法上の職務発明制度を踏襲して、基本的な考え方として、職務育成品種については、原始的に、育成者に帰属することになっています。
 

----------------------------------------------
種苗法/(職務育成品種)

第8条

 従業者、法人の業務を執行する役員又は国若しくは地方公共団体の公務員(以下「従業者等」という。)が育成をした品種については、その育成がその性質上使用者、法人又は国若しくは地方公共団体(以下「使用者等」という。)の業務の範囲に属し、かつ、その育成をするに至った行為が従業者等の職務に属する品種(以下「職務育成品種」という。)である場合を除き、あらかじめ使用者等が品種登録出願をすること、従業者等がした品種登録出願の出願者の名義を使用者等に変更すること又は従業者等が品種登録を受けた場合には使用者等に育成者権を承継させ若しくは使用者等のため専用利用権を設定することを定めた契約、勤務規則その他の定めの条項は、無効とする。 


2  従業者等は、契約、勤務規則その他の定めにより、職務育成品種について、使用者等が品種登録出願をしたとき、従業者等がした品種登録出願の出願者の名義を使用者等に変更したとき、又は従業者等が品種登録を受けた場合において使用者等に育成者権を承継させ若しくは使用者等のため専用利用権を設定したときは、使用者等に対し、その職務育成品種により使用者等が受けるべき利益の額及びその職務育成品種の育成がされるについて使用者等が貢献した程度を考慮して定められる対価の支払を請求することができる。


3  使用者等又はその一般承継人は、従業者等又はその承継人が職務育成品種について品種登録を受けたときは、その育成者権について通常利用権を有する。

----------------------------------------------
 

一方で、今回の特許法の改正(平成28年4月1日施行)では、職務発明制度についても大幅な改正がなされました。一番の重要な改正は、従業者等がした職務発明について、一定の条件のもとで、特許を受ける権利を、発生時から使用者等に帰属させることが可能となった点です。

なお、この4月22日に、職務発明に関するガイドライン(新設の特許法35条6項に規定)も公表されました。
    ● 特許法第35条第6項の指針(ガイドライン)
              http://www.jpo.go.jp/seido/shokumu/shokumu_guideline.htm

 
このため、職務発明では、一定の条件のもと、(特許を受ける権利を)原始的に使用者に帰属させることが可能になった一方で、職務育成品種については、従来どおり、(育成者権を受ける権利は)原始的に、育成者に帰属することになります。

つまり、職務発明と職務育成品種では、取扱いが
(原始的に権利を取得する主体が)全く異なることが起こり得ます。

例えば、今回の特許法改正にあわせて職務育成規定を大幅に変更した場合に、職務育成品種についても、そのまま同じように変更してしまうと、種苗法に反する場合が生ずることになりますので、注意が必要です。

 
社内規定で、職務発明と、職務育成の両方を定めなければならない場合には、それぞれ別々の規定(社内制度)を設ける必要があるかもしれません。つまり、職務発明については、今回の改正特許法とガイドラインにそった規定を設ける(改訂する)一方、職務育成品種については、従来の職務発明等の制度にならった規定を維持する必要があるかもしれません。企業によって状況やそれへの対応はいろいろだとは思いますのが、確認は必要だと思います。


最期に参考として、これまでの職務発明規定(特許法35条)の条文改正の変遷をまとめました。

下記をみてもわかりますが、現状の種苗法8条は、特許法でいうところの昭和34年法を踏襲した状態で止まっており、特許法では職務発明訴訟の乱訴のような問題に対してその後手当された改正(例えば、平成16年改正)もされていません。従業者と使用者との関係は、発明と育種とでは、いろいろ違いはあるのかもしれませんが、現在の種苗法8条は、そのような検討もされることなく、(古い特許法に倣ったままで)単に放置されているように見えます。

農水省の方からは、今回の特許法改正に関連して、職務育成品種に関する制度(種苗法8条)を改正しようという動きは、(管理人の知る限り)今のところ聞こえてきません。

種苗法8条(職務育成品種の規定)についても
、特許法での改正(職務発明制度の改正)の状況や経緯からすれば、改正の検討が必要な段階にきているのではないでしょうか。

 

Shokumuhatumeihikaku


 
<参考>
下記の農水省の検討会で、平成16年特許法改正後に、職務育成品種の改正について検討がされたようですが、このときは、現状維持との判断で落ち着いているようです。

●第4回  植物新品種の保護に関する研究会議事概要
http://www.maff.go.jp/j/study/other/sinsyu_hogo/pdf/kenkyu_gaiyou04.pdf

 
以上

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