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2016年7月

2016年7月20日 (水)

ノンアルコールビールの特許侵害訴訟(控訴審)で和解成立

ノンアルコールビールに関する特許を侵害されたとして、S社が、A社の主力商品「ドライゼロ」の製造や販売の差し止めを求めた訴訟の控訴審において、20日に和解が成立したようです。


今回の事件を簡単に整理しますと下記の通りでした。


2015年1月  東京地裁に提訴(第一審)

        S社が、自社の特許(特許第5382754号(請求項1は下記))を侵害されたとして、A社のノンアルコールビール製品「ドライゼロ」の製造や販売の差し止めを求める訴訟を提起した。

    ・特許第5382754号 「pHを調整した低エキス分のビールテイスト飲料」
      【請求項1】(
訂正後
 エキス分の総量が0.5重量%以上2.0重量%以下であるノンアルコールのビールテイスト飲料であって、pHが3.0以上4.5以下であり、糖質の含量が0.5g/100ml以下である、前記飲料。


     ・本ブログ記事

      2015年3月10日 ノンアルコールビール風味飲料で特許侵害訴訟提訴(サントリーとアサヒ)
      http://blog.patent-pvp.com/pvp/2015/03/index.html#entry-81984119


2015年10月29日  第一審の判決言渡し


      結論(主文):
  原告の請求をいずれも棄却する。 
      理由の概要:  特許が進歩性欠如により無効であるとして、原告の請求を認めなかった。
         ・本件発明は、公然実施発明1(オールフリー)及び公然実施発明2(ダブルゼロ)に基づいて容易に想到することがができたから、本件発明は特許無効審判により無効にされるべきものと認められる。
         ・よって、原告は被告に対して本件特許権を行使することができないから(特許法104条の3第1項)、・・、原告の請求はいずれも理由がない。よって,原告の請求をいずれも棄却する・・。

        ・平成27年10月29日言渡 平成27(ワ)1025  特許権侵害差止請求事件  東京地方裁判所

         http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/436/085436_hanrei.pdf


        ・2015/10/30 日経新聞web
        「ノンアル訴訟、サントリーの特許「無効」 東京地裁判決」

         http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG29H7G_Z21C15A0EA2000/


        ・本ブログ記事
         2015年10月31日  久しぶりの更新になりました
         http://blog.patent-pvp.com/pvp/2015/10/index.html#entry-83763460



その後、控訴審へ


2016年4月  A社が、S社の特許の無効審判を特許庁に請求。



2016年7月20日  日経新聞web、

         「サントリーとアサヒ、ノンアルビール特許訴訟で和解」

             http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG20H1Y_Q6A720C1MM0000/?dg=1&nf=1

       記事によれば、

       ・20日に知的財産高裁で、控訴審の和解協議があり、和解が成立した。
       ・(一審で敗訴した)S社は、控訴を取り下げる。
       ・A社は、S社の特許に対する無効審判請求を取り下げる。
       ・問題となった製品「ドライゼロ」を含む両社の各ノンアルコールビール
製品の製造・販売を、両社はこれまで通り続ける。
       ・その他和解の内容(条件)は非公表。



[コメント]

 ・第一審では、S社の特許が無効とされ、特許権の行使は認められず、いわばA社の完勝の雰囲気でしたが、控訴審の和解の内容をみると、特許無効審判も取り下げられて維持されることになり、第一審で寄り切られる寸前までいったところから大分、S社の方ががんばって戻した印象があります。

 ・本件は、充足論はほぼ争う余地は無いようでしたので、特許の無効論の正否が判断の分かれ目となっていたと思われます。第一審では、特許「無効」との判断でした が、控訴審では、そのままの判断とはならず、知財高裁の判断(心証)は微妙だったのかもしれません。第一審での無効理由が、(食品分野での)公然実施に基づく進歩性という、比較的珍しい判断理由だったので、その帰趨に(個人的には)興味がありましたが、(残念ながら)その結論はでませんでした。

 ・訴訟を継続する意味合いという観点からみると、今回の訴訟が起こってから、問題となった製品は設計変更して、特許の範囲外になっている可能性が高く(そもそも2014年にした製品リニューアル以降のものが特許抵触で問題となっていたので、回避は簡単と思われます)、差し止め請求は、既にできない状況になっていた可能性が高いと思われます。

 ・また、損害賠償にしても、製品リニューアルの2014年9月から、第一審提訴の2015年1月辺りまでの製品が対象となると考えると、それほどの損害賠償額にはならない可能性があります。

 ・よって、判決という結論をもらう意義が、すでに、大分、薄らいでしまっていたのかもしれません。

 ・日経新聞の上記記事によれば、判決期日も既に定められていた上での和解協議だったようです(8月3日)。業界的なことも考えると、2社だけで争って判決まで出すことまではせず、ひとまず矛を収めて、ということかもしれません。

以上

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