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食品・農産物

2018年5月21日 (月)

日本の優良品種の海外流出問題(最近のニュース記事から)

次第に夏が近づいて来たことを実感する陽気になってきまた。

日本の優良な品種の海外流出の問題について、平昌五輪以来、関心が高まっています。最近もひきつづき記事で扱われていました。
新聞記事からのものを、備忘のために記録しておきます。

201805jponear_2

(2018/5撮影、弁理士会会館付近から/左から、「霞ヶ関ビル」、弁理士会の入っている「東京倶楽部ビル」、審判部も入る「JTビル」、「特許庁本庁舎」ビル、そして右端が「弁理士会館」です)


■「もぐもぐイチゴ」の流出、中国でも懸念

 日経新聞HP、2018/5/21
 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO30573650W8A510C1000000/

「・・・・・・・。・・・・・・・・・。・・・・・・、中国でも似たようなことが起きかねないと思わせる事件が最近発覚した。
 ・・・・・3月下旬。中国国営の新華社によると、河南省の出入国検査検疫局は中国籍の旅行客の荷物から、370株のイチゴの苗を発見し、押収した。・・・・・・。当局はこの苗を・・・、焼却処分にした。
 ・・・・・・・・・・・・・・・。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
 報道によると、この中国人は日本で苗を買い、中国で育てようと計画していたからだ。
 ・・・・・・・・・・・・・。
 農産物の知的財産を守る手立てはもちろんある。海外で無断で栽培され、増殖するのを防ぐため、市場の拡大が見込まれる国で品種登録を出願するのはその一つだ。ところが、農林水産省が海外での品種登録の支援に本腰を入れ始めたのはごく最近。・・・・・・・。
 
・・・・・。
 ■海外市場に目を向けない当事者
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
 ・・・・・・・。・・・・・・・。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
 ・・・・・・・・・・。農水省は2018年度予算で、日本が国際競争力があると自負する品種がどれだけ海外に流出し、知財を侵害されているのか調べることを決めた。・・・・・・・・・・・。
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。・・・・・・。 ・・・・・・・・・・・・・・・・。」


ブドウ・サクランボも海外流出 農産物、甘い知財管理
 日経新聞HP、2018/5/11
 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO30309350Q8A510C1000000/?n_cid=SPTMG053

「・・・・・・・・・・・・・。・・・・・・・・・・、手塩にかけて開発した優良品種の海外流出はほかにもある。ブドウの「シャインマスカット」やサクランボの「紅秀峰」など・・・・。背景には農産物の知的財産管理の甘さがあり、政府が旗を振る農産物の輸出拡大にも影を落としている。
 ・・・・・・・・・・・・・・・。・・・・・・・・・・・・。
 ・・。「シャインマスカットが中国で栽培されているようだ」。・・・・・、2016年5月のことだった。
 ・・・・・・・・・・・・・・・。・・・・・・・・・・・・。
 ・・・・・・・・・・・・・・・。・・・・・・・・・・・・。
 ・・・・、育成者権を取得するには国・地域ごとに品種を登録する必要がある。・・・・・・・。シャインマスカットは申請期間が過ぎてしまっていたため、栽培や販売の差し止めができず、手遅れとなった。
 日本発の優良品種の種苗が海外に持ち出されたのはシャインマスカットだけではない。農水省によると、サクランボの「紅秀峰」やイ草の「ひのみどり」なども海外流出が確認されている。・・・・・・・・・・・・・・・・。
 ・・・・・。農水省によると、韓国のイチゴ栽培面積の9割以上は日本の品種をもとに開発した品種という。韓国はアジアにイチゴを積極的に輸出しており、農水省は日本の農家が失った輸出機会が年44億円分に上ると推計する。・・・・・・・・・・・・・・・・。
 ・・・・・・・・・・・・・・・。・・・・・・・・・・・・。
 ・・・・・・・・・・・・。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」


(★以上は、日経新聞サイトの記事の部分引用です。正確な情報、詳細は、当該出典元のサイトをご確認ください)。

以上

2016年7月20日 (水)

ノンアルコールビールの特許侵害訴訟(控訴審)で和解成立

ノンアルコールビールに関する特許を侵害されたとして、S社が、A社の主力商品「ドライゼロ」の製造や販売の差し止めを求めた訴訟の控訴審において、20日に和解が成立したようです。


今回の事件を簡単に整理しますと下記の通りでした。


2015年1月  東京地裁に提訴(第一審)

        S社が、自社の特許(特許第5382754号(請求項1は下記))を侵害されたとして、A社のノンアルコールビール製品「ドライゼロ」の製造や販売の差し止めを求める訴訟を提起した。

    ・特許第5382754号 「pHを調整した低エキス分のビールテイスト飲料」
      【請求項1】(
訂正後
 エキス分の総量が0.5重量%以上2.0重量%以下であるノンアルコールのビールテイスト飲料であって、pHが3.0以上4.5以下であり、糖質の含量が0.5g/100ml以下である、前記飲料。


     ・本ブログ記事

      2015年3月10日 ノンアルコールビール風味飲料で特許侵害訴訟提訴(サントリーとアサヒ)
      http://blog.patent-pvp.com/pvp/2015/03/index.html#entry-81984119


2015年10月29日  第一審の判決言渡し


      結論(主文):
  原告の請求をいずれも棄却する。 
      理由の概要:  特許が進歩性欠如により無効であるとして、原告の請求を認めなかった。
         ・本件発明は、公然実施発明1(オールフリー)及び公然実施発明2(ダブルゼロ)に基づいて容易に想到することがができたから、本件発明は特許無効審判により無効にされるべきものと認められる。
         ・よって、原告は被告に対して本件特許権を行使することができないから(特許法104条の3第1項)、・・、原告の請求はいずれも理由がない。よって,原告の請求をいずれも棄却する・・。

        ・平成27年10月29日言渡 平成27(ワ)1025  特許権侵害差止請求事件  東京地方裁判所

         http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/436/085436_hanrei.pdf


        ・2015/10/30 日経新聞web
        「ノンアル訴訟、サントリーの特許「無効」 東京地裁判決」

         http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG29H7G_Z21C15A0EA2000/


        ・本ブログ記事
         2015年10月31日  久しぶりの更新になりました
         http://blog.patent-pvp.com/pvp/2015/10/index.html#entry-83763460



その後、控訴審へ


2016年4月  A社が、S社の特許の無効審判を特許庁に請求。



2016年7月20日  日経新聞web、

         「サントリーとアサヒ、ノンアルビール特許訴訟で和解」

             http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG20H1Y_Q6A720C1MM0000/?dg=1&nf=1

       記事によれば、

       ・20日に知的財産高裁で、控訴審の和解協議があり、和解が成立した。
       ・(一審で敗訴した)S社は、控訴を取り下げる。
       ・A社は、S社の特許に対する無効審判請求を取り下げる。
       ・問題となった製品「ドライゼロ」を含む両社の各ノンアルコールビール
製品の製造・販売を、両社はこれまで通り続ける。
       ・その他和解の内容(条件)は非公表。



[コメント]

 ・第一審では、S社の特許が無効とされ、特許権の行使は認められず、いわばA社の完勝の雰囲気でしたが、控訴審の和解の内容をみると、特許無効審判も取り下げられて維持されることになり、第一審で寄り切られる寸前までいったところから大分、S社の方ががんばって戻した印象があります。

 ・本件は、充足論はほぼ争う余地は無いようでしたので、特許の無効論の正否が判断の分かれ目となっていたと思われます。第一審では、特許「無効」との判断でした が、控訴審では、そのままの判断とはならず、知財高裁の判断(心証)は微妙だったのかもしれません。第一審での無効理由が、(食品分野での)公然実施に基づく進歩性という、比較的珍しい判断理由だったので、その帰趨に(個人的には)興味がありましたが、(残念ながら)その結論はでませんでした。

 ・訴訟を継続する意味合いという観点からみると、今回の訴訟が起こってから、問題となった製品は設計変更して、特許の範囲外になっている可能性が高く(そもそも2014年にした製品リニューアル以降のものが特許抵触で問題となっていたので、回避は簡単と思われます)、差し止め請求は、既にできない状況になっていた可能性が高いと思われます。

 ・また、損害賠償にしても、製品リニューアルの2014年9月から、第一審提訴の2015年1月辺りまでの製品が対象となると考えると、それほどの損害賠償額にはならない可能性があります。

 ・よって、判決という結論をもらう意義が、すでに、大分、薄らいでしまっていたのかもしれません。

 ・日経新聞の上記記事によれば、判決期日も既に定められていた上での和解協議だったようです(8月3日)。業界的なことも考えると、2社だけで争って判決まで出すことまではせず、ひとまず矛を収めて、ということかもしれません。

以上

2016年2月 8日 (月)

農林水産物・食品の輸出額が過去最高の7,452億円(20年目標の1兆円も視野)

立春をすぎ、梅が咲きはじめています。

2016_risshuume2_2


2015年の農林水産物・食品の輸出額が、7,452億円(前年比21.8%増)となり、過去最高値(昨年2014年、6,117億円)を更新したとのことです。政府目標の「2020年に1兆円」が前倒しで実現できる可能性が高まってきました。

記事等を備忘のために残します。

■ 日経新聞web、2016/2/2
  「農水産物輸出、7452億円で最高 15年21.8%増」 

http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS02H05_S6A200C1000000/

 (記事抜粋)
 農林水産省は2日、2015年の農林水産物・食品の輸出額が前年比21.8%増の7452億円となり、3年連続で過去最高を更新したと発表した。海外で和食人気が広がったことや、円安で日本産に割安感が出ていることが主な要因。輸出先国が日本の農産物の輸入規制を緩めたことも追い風になった。政府は20年に1兆円に伸ばす目標の前倒し達成を目指す。
 ・・・・。 ・・・・・・。
 ・・・・。 ・・・・・・。
 農畜産物ではリンゴや和牛の伸びが目立った。リンゴは55.0%増の134億円、和牛も34.6%増の110億円となり、いずれも初めて100億円の大台を超えた。台湾などに「ふじ」などを輸出する丸金丹代青果(青森県つがる市)は「大ぶりで見栄えがよく安心・安全な日本のリンゴの人気は高い」という。
 ・・・・。 ・・・・・・。
 ただコメ輸出は途上国への援助米を除くと22億円(56.4%増)にとどまった。割高な価格などがネックになっている。
 ・・・。環太平洋経済連携協定(TPP)が発効すれば、日本を除く参加11カ国は農産物の98.5%の品目で関税を撤廃する。・・・・・。



■ 農林水産省リリース、平成28年2月2日

 「平成27年農林水産物・食品の輸出実績」について

 http://www.maff.go.jp/j/press/shokusan/kaigai/160202.html 

 (記事抜粋)
 農産物、林産物及び水産物の内訳は、以下のとおり。


   ・農産物    :    4,432億円(対前年比    +24.2%)

   ・林産物    :      263億円(対前年比    +24.8%)

   ・水産物    :    2,757億円(対前年比    +18.0%)

 輸出先については、1位が香港、2位が米国、3位が台湾

  【主な輸出先国・地域別輸出額】

201602syuyouyusyutukokubetuyusyut_2


  【農林水産物・食品の輸出額の推移】

201602nousuisanbutuyusyutusuii_2


  
(上記表・グラフは、農水省HP(上記)のリンク資料より抜粋)


■ 本ブログ過去記事、2015年2月10日 (火)
  
「農林水産物・食品の輸出」が過去最高6000億円超え」
http://blog.patent-pvp.com/pvp/2015/02/index.html#entry-81781745

以上

2015年5月29日 (金)

『地理的表示保護制度』の審査要領・ガイドライン等(正式版)、公表

6月1日より運用が開始される『地理的表示保護制度』に係る省令、告示、審査要領、ガイドライン、様式の正式版が公表されました。

また農林水産省HP内の『地理的表示保護制度(GI)』のサイトも本日付でリニューアルされています。


● 農林水産省 『地理的表示保護制度(GI)』 の専用サイト
 http://www.maff.go.jp/j/shokusan/gi_act/index.html

 (サイト内新着情報より)
「・平成27年6月1日から地理的表示保護制度 の運用が開始されます。
 ・地理的表示保護制度に係る省令、告示、審査要領、ガイドライン、様式集について、正式版を掲載しました。(平成27年5月29日)」




● 『地理的表示保護制度(GI)』 - 地理的表示法とは

  制度の内容、法律、施行令、施行規則等
  http://www.maff.go.jp/j/shokusan/gi_act/outline/index.html



● 『地理的表示保護制度(GI)』 - 登録申請手続

  http://www.maff.go.jp/j/shokusan/gi_act/process/index.html

 ・特定農林水産物等審査要領
  
http://www.maff.go.jp/j/shokusan/gi_act/process/pdf/doc10.pdf

 ・地理的表示保護制度申請者ガイドライン
  
http://www.maff.go.jp/j/shokusan/gi_act/process/pdf/doc11.pdf

 ・地理的表示活用ガイドライン
  
http://www.maff.go.jp/j/shokusan/gi_act/process/pdf/doc14.pdf

 以上

2015年5月28日 (木)

『農林水産省知的財産戦略2020』 が公表

 「農林水産省知的財産戦略2020」が策定され、公表されました。2020年までの今後5年間の農林水産省としての知財戦略をまとめたものです。

 当ブログの過去記事(2015/4/24等)でその策定ための検討会を追ってきましたが、前回公表された案に従った内容となっています。(一応、比較・確認を後でしようと思います)。

Maffchizaisenryaku2020gaiyo_2

  [出典:「農林水産省知的財産戦略2020の概要」 
  (
http://www.maff.go.jp/j/press/shokusan/sosyutu/pdf/150528-02.pdf)より]


● 農林水産省、プレスリリース、2015/5/28
 「農林水産省知的財産戦略2020」の策定について
 http://www.maff.go.jp/j/press/shokusan/sosyutu/150528.html


● 農林水産省知的財産戦略2020(PDF:235KB)
  http://www.maff.go.jp/j/press/shokusan/sosyutu/pdf/150528-01.pdf


● 当ブログの過去記事:
 ◎ 2015年1月21日 (水)
  「農林水産省 知的財産戦略検討会(第1回) (傍聴メモ)」
  http://blog.patent-pvp.com/pvp/2015/01/index.html#entry-81636997

 ◎ 2015年4月24日 (金)
  「新しい「農林水産省知的財産戦略」案の公表(&コメント)」
  http://blog.patent-pvp.com/pvp/2015/04/index.html#entry-82305370


● 農林水産省知的財産戦略検討会
  (今回の戦略策定までの経緯がわかります)
  http://www.maff.go.jp/j/kanbo/tizai/brand/b_senryaku/index.html


以上

2015年4月24日 (金)

新しい「農林水産省知的財産戦略」案の公表(&コメント)

第4回農林水産省知的財産戦略検討会が4月23日に開催され、農水省のwebページに、「農林水産省知的財産戦略」の案が公表されています。

この「農林水産省知的財産戦略」は、今年(平成27年)から今後5年間の農林水産省の知的財産戦略を定めるものであり、1月から農林水産省内の「検討会」にて策定作業が進められています。

今回の公表された案をもとに、来月5月には、最終的な(新しい)「農林水産省知的財産戦略」が発表される予定です。

確定前の「案」ですが、ほぼ最終版に近いと思われます。

「農林水産省知的財産戦略」案を、ざっと読んでみましたので、コメント・感想を残しておきたいと思います。
(うしろに、「抜粋」も残します)。


●農林水産省食料産業局(H27年4月24日更新)、「第4回 農林水産省知的財産戦略検討会」配付資料
  (今回の「農林水産省知的財産戦略」はここの資料中にあります)

 
http://www.maff.go.jp/j/shokusan/tizai/other/senryaku_4.html

●(参考)前回(これまでの)「農林水産省知的財産戦略」(平成22年3月策定)
 (概要版)
 
http://www.maff.go.jp/j/shokusan/tizai/other/pdf/0121_sankou1.pdf
 (全体)
 
http://www.maff.go.jp/j/shokusan/tizai/other/pdf/0121_sankou2.pdf

●(参考)「戦略的知的財産活用マニュアル」(農林水産省)
 
http://www.maff.go.jp/j/press/shokusan/sosyutu/pdf/140407-01.pdf



【コメント・感想】

(立案・策定・検討等で汗をかかれた方々には申し訳ないですが)
 個人的には大いに期待している分野なので、若干(かなり?)辛口になるのはご容赦を。

(1) まず全般的な印象ですが、今後の5年間の念頭においた戦略という割には、正直、従前の知財戦略の継続または延長線に、最近の知財トレンド的なものを少し盛り込んだだけな感が強く、ちょっと新味欠ける感じがします。

(2) 東京オリンピックの開催や最近の技術状況などからみて、今後の5年間は、これまでの直近の5年間よりも、はるかに急激な様々な変化が起こる可能性が高いようにと思います。
 この戦略(案)でも今後の5年に言及していますが、内容面をみると、これまでの延長線にしか見えないよう思います。
 農業や農産物の輸出等が、成長戦略の一つとして重要視されている割には、(緊張感というよりは)のんびりしている感じがしました。

(3) 内容面で気になったのは、種苗産業の競争力強化/植物新品種保護の強化についての議論が、ほかの記述との関係でみても、少し「おざなり」な感じが強いと思います。

 農林水産分野の知財戦略においては、農産物ブランド保護などと並んで、種苗産業の競争力強化(とそれに関連する植物新品種保護の強化)といのは、(古言い回しですが)「一丁目一番地的」なところなはずだと思います。
 今回の戦略(案)をみると、この辺りの内容は、記載はたくさんありますが、従前(前回)の戦略の焼き直しや、継続、延長的な内容で、力が入っている感じもあまりなく、少々新味にも欠ける感じがしました。

 中国など海外の追い上げは急速に進んでいると言われていますし、技術的な面でも、「ゲノム修飾」、「NBT」(new plant breeding techniques)など、新たな品種改良技術の発展が急激に進みつつありますが、技術開発面でどのように対応し、その技術や成果をどう保護・活用するか、また新しい技術分野のものに対して制度面での対応をどうすべきか、など、最新の状況をふまえて、この分野で、もっと先を見越した戦略を示して欲しかったです。
 制度などについて言えば、特許、商標と、品種登録、地理的表示などにおいて、縦割り省庁の枠を超えて、特許庁などともっと連携して(日本の行政庁として総力で)、ユーザーの視点から、保護のあり方、使い安さ、分かり安さなどを考えて、制度や運用を見直すなどといったことも検討して欲しかったです。国際的な保護制度運用についても、例えば、従来の省庁の枠を乗り越えて日本でスタンダード構築して、それを国際標準化させるなどといったことくらい示してもらえたら、おもしろかったのですが。。。

(4) いずれにしても、この知財戦略が正式策定され、良い方向で実現されていくよう期待しています。



【「農林水産省知的財産戦略」案】
 (抜粋)


第Ⅰ 現状認識
1 知的財産戦略を改定する必要性
 (略)

2 戦略改定の経緯
 (略)

3 戦略の実施期間
 (略)

第Ⅱ 知的財産の活用による新たな価値の創出
1 新たな消費者価値の創出
 (略)

2 ビジネスモデルと知的財産マネジメントを活用した新たな価値の創出
 (略)


第Ⅲ 戦略的な知的財産マネジメントの推進
 (略)


第Ⅳ 具体的な対応方向

1 技術流出対策とブランドマネジメントの推進
 ・・・・・・。
 ブランドマネジメントに関しては、商標権(文字、図形、地域団体商標)等の活用をさらに進展させるとともに、商標権、特許権、育成者権、地理的表示などの知的財産制度を組み合わせて差別化を図ることに加えて新たな機能性表示食品制度等も活用して産品の特徴を際立たせブランド力を向上することが重要である。・・・・・・。
 ・・・・・・。
 また、いわゆる健康食品の市場規模が拡大する中、新たな機能性表示食品制度を契機として、機能性食材の産業的展開を積極的に進めることができるよう、研究開発の進展とビジネスモデルとそれを支える知的財産マネジメントを連動すべきことを食品産業事業者に対して啓発する


2 知的財産の保護・活用による海外市場開拓

(1) 収益拡大を目指した知的財産の活用の推進
 今後10年で倍増が見込まれる世界の「食市場」の戦略的な獲得に向け、①世界の料理界で日本食材の活用促進(Made FROM Japan)、②日本の「食文化・食産業」の海外展開(Made BY Japan)、③日本の農林水産物・食品の輸出(Made IN Japan)の取組を官民連携により一体的に推進するさらに海外からのロイヤルティ収入の拡大を目指した知的財産権等の活用方策の普及啓発を推進する。
 ・・・・(略)・・。


(2) 第三国を経由する模倣品の顕在化及びこれを踏まえた対策
 (略)


(3) 地名の商標登録への対策
 (略)

3 国際標準への戦略的対応
(1) 標準等を活用した信頼性の向上
 (略)

(2) 国際的に通用する規格の策定及び国際規格化の推進
 (略)


4 伝統や地域ブランド等を活かした新事業の創出

(1)地理的表示保護制度の活用によるブランド化の促進
 新たに導入される地理的表示保護制度について、制度の周知を徹底するとともに、地域のブランド戦略に応じた商標制度との選択・組合せなどの活用方法の紹介により、制度の活用を促進する。
・・・・・・。・・・・・・。
 さらに、海外市場においては、地理的表示マークを活用して、日本の真正な特産品であることを認識してもらうとともに、地理的表示保護制度を導入している国との間で適切な保護に向けた枠組みづくりを進めることにより輸出促進に向けた環境整備を実施する。


(2)伝統野菜等地域食材を活用した日本食・食文化の普及
 (略)


(3)景観、伝統文化等の地域資源の活用
 (略)


(4)家畜の遺伝資源の保護対策及び育種改良の促進
 ・・・・・・。・・・・・。
 ・・・・・・。また「和牛」の表示については、国産同様、輸入牛、肉についても、消費者にわかりやすい表示が行われるよう、食肉販売事業者等による、ガイドライン等を踏まえた自主的な取組を促す。さらに、海外においては、外国産和牛に対抗するため、和牛統一マークを活用し、日本産和牛のブランド化を推進する。


5 ICTによる農林水産業の知の抽出と財産化、及びその活用による新事業の創出
(1)農林水産分野におけるICT活用の拡大及び促進

 ・・・・・・。
 熟練農家の経験に基づく技術やノウハウ(匠の技)については、ICTによるデータ化・集積化、解析を行い、その成果を農業者にフィードバックするとともに、新規就農者等への技術・ノウハウの円滑な継承のための手法として、その活用を推進する。
 ・・・・(略)・・。


(2)農業生産に係るデータの流出等への予防的対応の推進
 農林水産分野におけるICT活用の拡大及び促進を図る一方で、現在、農業生産に係るデータの知的財産上の取扱いについて適切なルールが設定されておらず、農業分野におけるICTの普及に支障が生じる懸念があるため、ICTの導入によって得られたデータについては、適切な保護のあり方を検討する必要がある。・・・・・。
 ・・・。農業分野へのICTの導入によって生じたデータの知的財産上の取扱いに関するガイドラインを策定し、その普及啓発を推進する。


6 種苗産業の競争力の強化

 植物新品種については、品種登録審査の国際調和と着実な推進を行い、権利の保護を強化して、権利者の正当な利益を守ることにより、新品種の開発の促進と国内農業・種苗産業の発展に資するものである。
 特に、農産物や種苗について東アジア等の海外への輸出や直接投資を促進するに当たっては、相手国の品種保護制度のレベルアップや審査協力を推進することが重要であり、こうした取組を強化する必要がある。
 また、種苗法において、原則として育成者権の効力が及ばないとされる農業者による種苗の自家増殖について、植物の種類ごとに生産現場や種苗業界の実態を調査した上で、自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物範囲の拡大について検討する。
 さらに、近年、例えば病害虫抵抗性や機能性等の特性を備えた植物新品種について、その作出方法を含め特許で権利化する等の動きがあることを踏まえ、種苗産業の競争力強化に係る検討を加速する。


(1)植物新品種の保護強化
 ① 品種登録審査の国際調和と着実な推進

  ・・・・。・・・・・・・。
 また、①近年増加傾向にある新規植物、我が国農林水産物の国際競争力の強化やブランド化に資する新しい特性(高温耐性、日持ち性等)等に対応する審査基準の作成、②・・・を着実に推進する。


 ② 権利侵害対策の強化
  ア 権利侵害対策支援業務の充実強化

 (略)


  イ DNA品種識別技術等の開発
 (略)


  ウ 水際取締制度の活用促進
 (略)


  ③ 東アジア植物品種保護フォーラムの積極的な推進
 (略)


④ 品種保護制度運用の国際標準化の推進
 (略)


(2) 種苗の安定供給体制の確立及び海外の遺伝資源の確保

  ① 種苗の安定供給体制の確立
 優良な種苗について、知的財産の保護を適切に図りつつ、それぞれの作物の状況に応じて安定供給を図ることが重要である。
 品種開発の場面においては、画期的な品種や、海外の市場も視野に据えた強みのある品種が求められていることから、ゲノム情報の解読、DNAマーカー選抜育種技術やゲノム編集技術、オミクス解析技術等を組み合わせた新たな育種技術の開発を推進する。
 我が国の野菜等の種苗生産は、個々の事業規模は小さく多様な主体が共存する種苗企業が担っており、国内での隔離ほ場の確保が難しいことや種苗生産者の高齢化等により体制が弱体化している。このため、遺伝資源の確保の困難化や育種競争の激化、事業のグローバル化など共通の問題の解決を可能とする総合的な取組体制の構築に向けて、新品種の育種力や高品質種苗の生産基盤を強化する等の必要な環境整備を推進する。特に、ビジネスのバリューチェーンの全てを囲い込もうとする海外バイオメジャーの技術動向を注視し、それへの対抗策を検討する。
 ・・・・・・。・・。


  ② 海外の遺伝資源の確保

7 研究開発における戦略的な知的財産マネジメントの推進
 今後の研究開発の推進に当たっては「農林水産業の現場等で活用されて、こその研究成果」であるとの基本的な考え方の下、研究成果を誰に活用してもらうのが適当か、活用する側にどのような形で知的財産を渡すのが適当かなど、商品化・事業化に有効な知的財産戦略を研究開発の企画・立案段階から描き、研究開発を効果的・効率的に推進する。
 また、研究成果の活用に当たっては、発明時における権利化・秘匿化・公知化や、権利化後の特許等の開放あるいは独占的な実施許諾等の多様な選択肢を視野に入れ、事業の成功を通じた社会還元を加速化する観点から最も適切な方法が採用されるよう、各研究機関における知的財産マネジメントの見直しを指導・支援する。
 ・・・・(略)・・。


8 知的財産戦略に関する啓発及び人材の育成
(1) 農林水産分野の知的財産の保護及び活用に関する啓発の推進
 (略)


(2) 人材の育成
 (略)


第Ⅴ 戦略の推進方策
 (略)

以上

2015年4月21日 (火)

「用途発明の特許権の効力範囲を踏まえた機能性食品の保護の在り方・・」(特許庁)

特許庁で、平成27年度の産業財産権制度問題調査研究として、「用途発明の特許権の効力範囲を踏まえた機能性食品の保護の在り方に関する調査研究」についての一般競争入札公告が行われています(2015/4/20、特許庁お知らせ)。
http://www.jpo.go.jp/koubo/choutatu/choutatu2/h27_info_kinousei.htm

例年、この時期に、特許庁では、調査研究を外部機関に委託して行うこととして、それを競争入札をして指名して行っています。この結果は、その年度末(つまり来年の3月頃)に公表されます。多くの場合、知的財産研究所などが調査研究を行っていることが多いようです。

昨年(平成26年)分(およびそれ以前)の調査研究の報告書は下記URLで確認できます。
 ●特許庁産業財産権制度問題調査研究報告書について
 
http://www.jpo.go.jp/shiryou/toushin/chousa/zaisanken.htm

特許庁でこのような調査研究を委託し報告書が出ると、それに基づいて、法改正や審査基準の改訂などが行われることがしばしばあります。

ご存じのように「機能性表示食品」の制度がこの4月より、運用されており、用途発明の保護のあり方についても、これまで通りで良いのか議論になりつつあるように見受けられます。

今回の特許庁の調査研究の委託が、こういった動向と連動して、最終的に、機能性食品の保護(食品用と発明の保護)のあり方の変更(審査基準の見直しなど)につながるのか、注目したいと思います。

(なお、同様にして、平成27年度産業財産権制度各国比較調査研究等事業「各国における遺伝資源の利用と特許制度に関する調査研究」についても、一般競争入札公告が出されていますので、こちらの方の報告書の発表も興味深そうです。)

以上

2015年4月10日 (金)

GIマーク(地理的表示に基づく登録標章)のデザイン公表

「地理的表示法」(平成27年6月1日施行予定)に基づいて登録された農林水産物等に付する「登録標章」(GIマーク)のデザインが決定・公表されました。

●農林水産省プレスリリース、平成27年4月10日
「地理的表示に基づく登録標章(GIマーク)の公表について」

http://www.maff.go.jp/j/press/shokusan/sosyutu/150410.html

GIマークは、地理的表示法に基づき登録された産品であって、その基準を満たしたものに地理的表示を付する際に一緒に付さなければならないとされています。GIマークの不正使用は、地理的表示法の規定に基づき罰せられることになります。

Gijpmark
 (出典:上記農水省プレスリリースより)

因みに、マークは、「このGIマークの信頼性を確保するため、国内及び海外の主な農林水産物の輸出先国において商標登録の出願をしております」(農水省)とのことです。

発表早々いうのも失礼かもしれませんが、ちょっと垢抜けない(いまいちな)感じがします。。。(海外での日本のイメージからの分かり易さを優先したのかもしれませんが。。。)



********************(2015/4/24追記)************************

●「地理的表示活用ガイドライン」 (農林水産省)
 (産地が地理的表示保護(GI)制度を導入し、GI制度をマーケティングの柱として活用するための指針となるよう、ポイントを整理したガイドライン)
 
http://www.maff.go.jp/j/shokusan/sosyutu/GI/pdf/guide.pdf

***********************************************************


以上

2015年3月10日 (火)

ノンアルコールビール風味飲料で特許侵害訴訟提訴(サントリーとアサヒ)

日経新聞web版によれば、下記の通りとのことです。

・日経新聞web、2015/3/10
 
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG10H36_Q5A310C1MM0000/?dg=1
(記事抜粋)
サントリー、アサヒを提訴 「ドライゼロが特許侵害」
 アルコール度数ゼロのビール風味飲料を巡り、自社の特許を侵害されたとして、サントリーホールディングス(HD)がアサヒビールに対し、アサヒの主力商品「ドライゼロ」の製造や販売の差し止めを求める訴訟を起こしたことが10日、分かった。
 同日午後に東京地裁で第1回弁論が開かれる予定で、アサヒ側は「特許権は無効だ」として全面的に争う方針だ。
 サントリーは、糖質やエキス分を一定の範囲内にしたビール風味飲料として2013年10月に取得した特許権を、アサヒのドライゼロが侵害していると主張し、今年1月に提訴した。
 ・・・・・・・・。』

 A社の「ドライゼロ」は、「アルコールゼロ」に加え「カロリーゼロ」「糖質ゼロ」をうたっている、いわゆる健康志向のノンアルコールタイプのビール風味飲料です。

 本ブログ的にも興味深いのでの、簡単に特許など調べてみました。

 報道の情報から推測すると、おそらく下記の特許(1)に基づき、特許権侵害の提訴に踏み切ったと思われます。(親出願の特許(2)は関係しているかは分かりません)。(他にも、提訴に関連する特許が存在するか不明です。下記は、あくまでも上記記事の記載の範囲で調べたものにすぎませんので、下記の特許であることの裏付けも現在のところとれていない、確証の無い情報になります。この点ご留意ください3月10日付けのA社のニュースリリース(下記)に、問題となっている特許が下記(1)の特許第5382754号「pHを調整した低エキス分のビールテイスト飲料」であることが明記されています(3/12追記)。


(1) 特許第5382754号 「pHを調整した低エキス分のビールテイスト飲料」
    登録日: 2013年10月11日  (公報発行日: 2014年1月8日)
   原出願日: 2012年11月19日
    出願日: 2013年5月27日
    (この特許は、下記(2)の分割出願に基づくものです)

  権利化後の訂正審判: 訂正2014-390090
   訂正審決確定: 2014年8月7日 (審決公報発行: 2014年10月31日)
   訂正内容: 「ビールテイスト飲料」を「ノンアルコールのビールテイスト飲料」に』訂正、他。

  その他:
  請求の範囲について: 請求項は1~63(削除クレームあり)、
     請求項の主題:ビールテイスト飲料、
               ビールテイスト飲料の製造方法、
               ビールテイスト飲料への飲み応え及び適度な酸味の付与方法
       審査経過: 早期審査を行い、出願から特許査定まで4ヵ月程度

 <訂正後の請求項1>
  『【請求項1】
 エキス分の総量が0.5重量%以上2.0重量%以下であるノンアルコールのビールテイスト飲料であって、pHが3.0以上4.5以下であり、糖質の含量が0.5g/100ml以下である、前記飲料。』


    →(コメント) エキス分と糖質含量(糖質が実質的にゼロ)が規定されたノンアルコール型のビールテイスト飲料の発明となっています。


(2) 特許第5314220号 「pHを調整した低エキス分のビールテイスト飲料」
    登録日: 2013年7月12日 (公報発行日:2013年10月16日)
    出願日: 2012年11月19日 (*(1)の分割の親出願に相当) 

  権利化後の訂正審判: 訂正2014-390088
   訂正審決確定: 2014年8月7日 (審決公報発行: 2014年10月31日)
   訂正内容: 「ビールテイスト飲料」を「ノンアルコールのビールテイスト飲料」に』訂正、請求項1の数値を「2.0重量%」から「0.3重量%」に訂正、他。

  その他:
  請求の範囲について: 請求項は1~57(削除クレームあり)、
     請求項の主題: ビールテイスト飲料、
               ビールテイスト飲料の製造方法、
              ビールテイスト飲料への飲み応え及び適度な酸味の付与方法

 <訂正後の請求項1>
  『【請求項1】
 エキス分の総量が0.3重量%以下であるノンアルコールのビールテイスト飲料であって、pHが3.0以上4.5以下である、前記飲料。』


    →(コメント) こちらの特許は、上記特許(1)に比べると、エキス分の量が上記(1)より少なく、糖質含量が規定されていません。


(3) 第2の分割出願の存在
 上記(2)の特許には、さらに(2つめ)分割出願(特願2013-162069(特開2013-255504号)、継続中)が存在するようです。 (現在のところ、審査請求未請求、審査請求期限は2015年11月)。


(コメント)

・A社(訴えられた側)の製品サイトを見ると、
「栄養表示基準に基づき、エネルギー5kcal(100ml当たり)未満をカロリーゼロ、糖質0.5g(100ml当たり)未満を糖質0(ゼロ)としています」
とある。ただし、サイトを簡単に見た限りでは、製品中の「エキス分」の量は、製品紹介等からは、特定できない。 (糖質ゼロであることは、製品広告で自認)。 

・特許のクレームは、エキス分などを数値範囲で特定しているので、侵害の立証の際(充足論)は、実験などが必要となると思われ、論点のひとつになりそう。

・特許(1)は、「飲み応えのある低エキス分のビールテイスト飲料」であり、「適度な酸味」を持つことを特徴とするもののようである。明細書の実施例において、発明の効果の立証データとして、「飲み応え感」、「酸味」をヒト(パネリスト)による官能評価によっている。

・特許発明の効果については、官能試験による結果に基づくものであるため、このあたりのところは、特許の有効性の議論(無効論)で、進歩性における発明の効果、記載要件などにおいて、論点になりそう。
  (*官能評価試験は、あいまいな面が多く、パネリストの選定、評価基準・手法、絶対評価/相対評価など、突っ込みどころ満載なことが多いが、攻める側も同様のタイプの出願をたくさんしている可能性が高く、攻めすぎれば、「天につばする」行為になりかねない)。

・今のところ、特許無効審判の提起は確認できない。

・A社の製品の発売は2012年1月(http://www.asahibeer.co.jp/news/2012/0110.html)。原出願日の方が後のように、一見すると見える。 (但し具体的な製品タイプが違うかもしれない
)。→ 一部報道によれば、昨年2014年9月に製品のリニューアルをしており、それが特許権に抵触しているとの主張のようです(2015/3/11追記)。

・S社の方は、提訴前に訂正審判をして十分準備をしてから提訴しているように見える。

・まだ別の分割出願が生きているので、裁判の進行次第では、それを利用して(クレームも工夫して)、さらに、二の手、三の手を用意できる余地がある。

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(以下、3/12追記)

●サントリーホールディングス株式会社 ニュースリリース、2015年03月10日
 「アサヒビール株式会社に対する訴訟の提起について」
 
http://www.suntory.co.jp/note/d/20150310_01.html

●アサヒグループホールディングス株式会社 ニュースリリース、2015年3月10日
 「サントリーホールディングス(株)の当社に対する訴訟の提起に関するお知らせ」
 
http://www.asahigroup-holdings.com/news/2015/0310.html


以上

2015年3月 3日 (火)

機能性表示食品のガイドライン(案)公表

機能性表示食品に関するガイドライン(案)が公表されました。
報道記事(思ったよりも大きく取り上げられています)や、消費者庁のガイドライン(案)の抜粋を、備忘として残しておきます。


●報道など:
・読売新聞HP、2015年03月02日
『トクホでなくても「機能性表示」可能に…指針案』

 http://www.yomiuri.co.jp/national/20150302-OYT1T50059.html
(記事抜粋)
『消費者庁は2日、新年度新設される食品表示のしくみ、「機能性表示食品制度」のガイドライン(指針)案を公表した。
食品が健康へ及ぼす作用(機能)について、企業が科学的な根拠を届け出れば、国の審査なしに表示できる。
・・・・・。・・・。
現行では、特定保健用食品(トクホ)など一部を除き、「機能」を表示できない。機能性表示は、サプリメントや生鮮など幅広い食品が対象。
・・・・・。
・・・。夏ごろには商品の販売が開始される見込み。』

<*下線は、管理人による。以下同じ。>


・毎日新聞HP、2015年03月02日
『機能性表示食品:「体にいい」夏にも店頭に 消費者庁指針』

http://mainichi.jp/select/news/20150303k0000m040080000c.html
(記事抜粋)
『体にどのように良い食品なのかを、企業の責任で表示できる新しい「機能性表示食品」制度について、消費者庁は2日、ガイドライン(指針)を公表したが、国の審査がない届け出制のために、食品業界にとっては迅速な商品開発や市場投入につながる面もありそうだ
・・・・・。・・・。・・・・・。・・・・・・・。・・・。
消費者庁は2日、新制度について東京都内で一般向けの説明会を開いた。参加者は約1800人と関心が高く、・・・などと質問が相次いだ。
終了後、食品メーカーの関係者からは「表示するための要件が厳しく、すぐに商品を出すのは難しい」「新制度は、表示できる範囲が先行する米国よりも狭く、期待したほどではなかった」などと困惑の声も聞こえた。』


●消費者庁 食品表示基準及び新たな機能性表示制度に係る説明会について
 http://www.caa.go.jp/foods/index18.html#m01-15


機能性表示食品の届出等に関するガイドライン(案) [PDF:836KB]
 
 http://www.caa.go.jp/foods/pdf/150219_shiryou4.pdf

  (ガイドライン中に記載の表示例の抜粋)

「本品にはA(機能性関与成分)が含まれるので、Bの機能があります(機能性)。」
  (最終製品を用いた臨床試験で科学的根拠を説明した場合)

「本品にはA(機能性関与成分)が含まれ、Bの機能がある(機能性)ことが報告されています。」
  (最終製品に関する科学的レビューで科学的根拠を説明した場合)

「本品にはA(機能性関与成分)が含まれます。AにはBの機能がある(機能性)ことが報告されています。」
  (機能性関与成分に関する科学的レビューで科学的根拠を説明した場合)

「○○(機能性関与成分)の含有量が一定の範囲内に収まるよう、栽培・出荷等の管理を実施しています。しかし、△△は生鮮食品ですので、◇◇(ばらつきの要因)などによって、○○(機能性関与成分)の含有量が表示されている量を下回る場合があります。」
 生鮮食品などでは含有量がバラツキを生じることがあるため、それを想定した含有量に関する表示)
など


●本ブログ内の過去記事リンク:
「機能性表示食品」のガイドライン案の公表と説明会開催 2015年2月23日
http://blog.patent-pvp.com/pvp/2015/02/index.html#entry-81878227

以上